【共通】Unit3 通訳の基礎知識と技術

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ユニット3 通訳の基礎知識と技術

このユニットで学ぶこと

このユニットでは、スポーツ通訳で使われる基本的な通訳方式と、通訳力を支える練習方法を学びます。
ここでまず押さえたいのは、逐次通訳・ウィスパリング・同時通訳の違い と、リテンションとは何か です。テキストでもこの章は「通訳に必要な基本スキルと練習方法」を紹介する、技術面に焦点を当てた章として置かれています。

Unit3 通訳の基礎知識と技術

 

1. 理解したいこと

スポーツ通訳には一つのやり方しかないわけではありません。
場面によって、話し手が一区切り話してから訳す方法もあれば、相手の耳元で小声で訳す方法もあり、さらにほぼ同時に訳す方法もあります。つまり、場面によって通訳方式を使い分ける ことが大事です。

また、この章では、通訳の種類だけでなく、記憶力や要約力を鍛える練習も扱っています。検定で評価される力の中にリテンションと再表現能力が入っているので、3級でもここは土台として押さえておく価値があります。

2. 通訳の3つの基本方式

逐次通訳
逐次通訳は、話し手が一定の区切りで話し終えた後に通訳する方式 です。
スポーツの現場では、試合後の記者会見、選手や監督へのインタビュー、スポンサーや役員との会合などでよく使われます。メモ取り、つまりノートテイキングが重要で、発話全体を把握して訳せるので、精度が高く、ニュアンスや感情も伝えやすい一方で、時間がかかり、会話のテンポは遅くなります。

ウィスパリング
ウィスパリングは、少人数に対して、聞き取りやすい声でささやくように通訳する方式 です。
チームミーティングや試合中のベンチでのやりとりなどで使われることがあり、1人の通訳者が1〜2人の聞き手に対して耳元で小声で訳します。簡易な同時通訳と位置づけられ、時間のロスが少なく、機材なしですぐ対応できるのが強みですが、集中力がかなり必要で、騒音に弱く、長時間には不向きです。

同時通訳
同時通訳は、話し手の発言とほぼ同時に通訳する方式 です。
ライブ中継やVIP対応、国際大会の公式会見、国際連盟の総会などで使われることがあります。ただし、テキストでは、スポーツ現場ではあまり一般的ではないとも書かれています。話の流れがスムーズで、大規模イベントに対応しやすい反面、専用設備が必要で、通訳者の技術力と集中力が高度に求められ、誤訳リスクも上がります。

3. 3つの違いを整理する

3級でまず区別したい点(違い)

・逐次通訳→「話し終わってから」
・ウィスパリング→「少人数に小声で」
・同時通訳→「ほぼ同時に」

さらに、区別を付けるなら、記者会見やインタビューなら逐次通訳、試合中に限られた相手へ小声で伝えるならウィスパリング、国際大会やライブ放送のような大きな場なら同時通訳、という整理がしやすいです。

4. リテンションとは何か

リテンションとは、相手の発言を一時的に記憶し、正確に再現する力 のことです。
テキストでは特に、スポーツ通訳では 数字・選手名・スコア・時系列 を正確に把握し再現する力が求められると説明されています。これはスポーツの現場でかなり重要です。得点、時間、選手名がズレると、そのまま意味が変わってしまうからです。

5. リテンションの基本トレーニング

この章では、リテンションを鍛える方法として、まず 数字・固有名詞記憶トレーニング が紹介されています。
これは、スコア、選手名、日付、時間などを正確に記憶して再現する練習です。スポーツニュースや試合結果速報、記者会見の冒頭部分などを素材にして、数字や固有名詞をメモし、それが何を表していたのか思い出す形です。狙いは、スポーツで頻出する数字や名前を正確に把握する力を強化することです。

イメージ記憶トレーニング 
これは、発話を頭の中で映像として思い浮かべ、「場面記憶」として再現する練習です。順序や流れ、つまり時系列や因果関係の把握を強化するためのものです。実況音声やハイライト動画のナレーションなどが素材として挙げられています。

メモ取りなしでの要約通訳
これは、30〜60秒ほどの発話の要点をメモなしで記憶し、日本語または英語で要約し、訳出する練習です。3級ではここまで完璧にやり切るより、まず「要点を残して言い直す感覚」に慣れることが大事です。

6. 要点まとめ

ポイント1
逐次通訳は、話し手が一区切り話したあとで訳す方式。
記者会見やインタビューでよく使われる。

ポイント2
ウィスパリングは、少人数に小声で訳す方式。
試合中のベンチや限られた関係者への説明で使われる。

ポイント3
同時通訳は、話し手とほぼ同時に訳す方式。
国際大会の公式会見やライブ放送などで使われることがある。

ポイント4
リテンションは、一時的に記憶して正確に再現する力。
特に数字、選手名、スコア、時系列が重要である。

ポイント5
通訳方式の違いを見て選べることが大切。
その上で、数字や固有名詞を正確に覚える感覚をつけていく。これは3級の位置づけとこの章の内容からの整理です。

7. このユニットのまとめ

このユニットでは、通訳の基礎知識と技術を確認しました。
特に大事なのは、次の4点です。

逐次通訳は「話し終わってから」訳す

ウィスパリングは「少人数に小声で」訳す

同時通訳は「ほぼ同時に」訳す

リテンションは「一時的に記憶して正確に再現する力」である

3級では、まずこの違いを見て選べることが重要です。
次のユニットでは、スポーツ特有の用語と表現(全般) に進んで、競技を問わず使う基本語彙を整理しいきましょう

 

確認問題 Unit3

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